さて包括的歯科治療(ほうかちてきしかちりょう)とは何でしょう?
このところ日本ではほとんど聞かなくなりました
あれだけもてはやされて医学雑誌の表紙をたくさん飾っていた言葉なのに
日本人の熱しやすくて冷めやすい傾向のせいかもしれません
またなんでもスピーディになり長い期間歯科医院通うことを嫌う傾向を考えてのことかもしれません
海外では包括的歯科治療はずっとメインのテーマです
睡眠時のはぎしり・くいしばりが歯を壊す
この事実が30年前にエビデンスをもって発表されて以来
オーストリアではなぜ睡眠時に歯ぎしりが起こるのかというテーマが研究されました
一人の医者が結論を導き出しました
睡眠時のはぎしりはストレスを解消し脳を健康に保つ
突然変異により巨大な脳を持ったホモサピエンスは生き残るために
会話をつくりうわさ話をしたり情報を共有したりした
その結果脳にたまった負荷・ストレスを改善するために
睡眠時の歯ぎしりが発達したという結論を導き出しました
これは脳コンピュータの自動調整システム(サイバーネティックシステム)の一つなのです
つまり睡眠時のはぎしりは
体(脳)にとっていいことであるが 歯を壊す原因にもなっている
ということです
歯の数が19本以下の人が20本以上ある人より1.85倍も認知症になりやすい
という事実も納得できますよね
いつも同じ歯が取れたり腫れたり折れたりすることも納得いきますよね
余談になりますがうわさ話は脳にお駄賃ホルモンが出るそうです
まずはかみ合わせを検査し、咬合のずれを把握し
スムーズな歯ぎしりができる適正な位置や高さに
歯の治療や歯周病治療や矯正治療に伴い並べる
歯は伸びてくるので3か月メンテナンスの折は
必要に応じて咬合調整をおこなう
これが包括的歯科治療です
欧米では常識です
歯周病とかみ合わせを考慮した治療なので
当たり前といえば当たり前なのですが
穴が開いたら埋めて終わりみたいな
30年以上前のスタイルの治療がコロナ後の日本で多くみられて危惧しています
当面は大丈夫ですが、3年、5年、10年と歯を失うリスクは増していきます
ウィーンオーストリアで20年前からこの手法を学んだわたくしは
日本の歯科医療発展のために、正確に伝える義務があると考えています。
応急処置だけでいいと言わず一度包括的歯科医療を考えてみてください。
はぎしりによりアミダラが活動する(上図)